Conceitos Básicos
本稿では、複数ロボットの協調動作に必要な最適化問題を分散的に解くための手法を3つの主要なカテゴリ(分散型一次手法、分散型逐次凸計画法、交互方向乗数法(ADMM))に分類し、それぞれの特性やロボット工学への応用可能性について解説する。
Resumo
多ロボットシステムのための分散最適化手法:パートII - サーベイ
本稿は、複数ロボットシステムにおける分散最適化に関する2部構成の論文の第2部にあたるサーベイ論文である。
多くのロボット工学の問題は、局所的な目的関数の合計として表現することができ、分散最適化アルゴリズムを用いて解決できる。分散最適化は、各ロボットが自身の局所的な関数のみを知っている状態で、全体として最適な解を見つけることを可能にする。
従来の中央集権的な最適化手法では、全てのロボットが目的関数や制約条件に関する情報を共有する必要があるため、通信量や計算量の増大が課題となる。一方、分散最適化では、各ロボットが近隣のロボットとのみ情報を交換することで最適化問題を解くことができるため、これらの課題を克服できる。
本稿では、分散最適化アルゴリズムを以下の3つの主要なカテゴリに分類し、それぞれの特性やロボット工学への応用可能性について解説する。
1. 分散型一次手法
各ロボットは、近隣のロボットとの間で変数や勾配の情報を交換し、自身の変数を更新する。
アルゴリズムの種類によっては、一定のステップサイズで最適解に収束するものもある。
勾配追跡アルゴリズムは、各ロボットが局所的な勾配の変化と、全ロボットの平均勾配の推定値を利用することで、一定のステップサイズを維持しながら最適解への収束を可能にする。
方向性のある通信ネットワークや時間的に変化する通信ネットワークにも適用可能である。
2. 分散型逐次凸計画法
非凸最適化問題を解くために、逐次的に凸関数を用いて近似する手法である。
各ロボットは、近隣のロボットとの間で変数や勾配の情報を交換し、大域的な目的関数の勾配とヘッセ行列を近似する。
近似の精度を高めるためには、多くの通信ラウンドが必要となる。
一般的に、分散型一次手法よりも少ない反復回数で収束する。
3. 交互方向乗数法(ADMM)
元々は中央集権的な最適化手法であったが、Consensus ADMM (C-ADMM)など、完全に分散化された手法も提案されている。
各ロボットは、自身のプライマル変数とデュアル変数を交互に更新し、近隣のロボットと通信する。
制約付き最適化問題を扱うことができる。
通信ネットワークの信頼性が低い場合には、収束が保証されない場合がある。