Kernekoncepter
平面性と3連結性を有するグラフのクロネッカー積は、一意に表現され、キャンセル性を持ち、正則グラフとなる条件が厳密に定められる。
Resumé
本稿は、平面性と3連結性を有するグラフ、特に多面体グラフのクロネッカー積の特性について考察した研究論文である。
主な成果は以下の通りである。
- クロネッカー積が平面性と3連結性を有する場合、キャンセル性が成り立つ。つまり、A∧C ≃ B∧C ならば A ≃ B が成り立つ。これは、単純グラフにおけるクロネッカー積のキャンセル問題が未解決である中で、重要な特殊ケースである。
- 多面体グラフは、高々1通りの方法でしかクロネッカー積として表現できない。
- 平面グラフの中で、2通りの異なる方法でデカルト積として表現できるものを特徴づけ、具体的な構成方法を示した。
- 平面性と3連結性を有するグラフの中で、クロネッカー積とデカルト積の両方の形で表現できるものを特徴づけた。
- 多面体グラフのクロネッカー積の中で、面正則グラフまたは頂点正則グラフとなるものを分類した。面正則グラフは特定の球面四角形分割であり、頂点正則グラフは特定の三次グラフ(最大平面グラフの双対グラフ)である。
- 次数3の頂点数が最小となる面正則グラフのサブクラスを特徴づけ、その反復的な構成方法を示した。
本研究の意義は:
- グラフ理論における重要な問題であるクロネッカー積のキャンセル問題に、部分解を与えた。
- 多面体グラフの構造に関する理解を深め、クロネッカー積とデカルト積の関連性を明らかにした。
今後の研究課題:
- 本稿では平面性と3連結性を仮定したが、より一般的なグラフにおけるクロネッカー積のキャンセル性を調べる必要がある。
- 多面体グラフのクロネッカー積の他の特性、例えば彩色数や直径などを調べることも興味深い。
Statistik
平面性と3連結性を有するグラフは、多面体グラフとも呼ばれる。
多面体グラフは、平面グラフであり、各面がポリゴンで囲まれ、2つの面が空集合、頂点、または辺のいずれかで交わるグラフである。
オイラーの公式によると、平面グラフの頂点数、辺数、面数の間には、頂点数 - 辺数 + 面数 = 2 という関係が成り立つ。
3連結性を満たす平面グラフは、次数3の頂点を少なくとも8つ持つ。
Citater
"polyhedral graphs are Kronecker products in at most one way"
"The face-regular ones are certain quadrangulations of the sphere, while the vertex-regular ones are certain cubic graphs (duals of maximal planar graphs)."