Kernekoncepter
本稿では、通信制限のある環境下で動作する非ホロノミック移動ロボットのフォーメーション制御のための、新規な推定器ベースの安全重視型制御フレームワークを提案する。
Resumé
通信制限環境下における非ホロノミック多ロボットシステムの安全重視型フォーメーション制御
本稿は、通信制限のある環境下における非ホロノミック移動ロボットのフォーメーション制御のための、新規な推定器ベースの安全重視型制御フレームワークを提案している。提案手法は、特に災害地域での捜索救助任務、危険な状況下でのインフラストラクチャ検査、通信妨害のある環境での協調作業など、障害発生時の影響が深刻な安全重視型アプリケーションに適している。
本稿の目的は、通信制限のある環境下において、安全性と安定性を同時に保証する、非ホロノミックロボットシステムのための統一されたフレームワークと閉形式解を提供することである。
本稿では、以下の要素を含む、推定器ベースの安全重視型制御フレームワークを提案している。
1. ロボットの動作推定
近隣のエージェントの速度ベクトルと移動方向を推定するための、堅牢な推定器を開発。
この推定器は、一定速度条件下ではグローバル漸近安定性を、時変速度プロファイルではグローバル一様終局有界性 (GUUB) を保証することが厳密に証明されている。
2. 安全性の確保
エージェント間通信なしで、非ホロノミックロボットフォーメーションにおけるエージェント間衝突回避のための、安全重視型制御境界を導出。
これらの境界は、提案された推定器を活用し、制御バリア関数 (CBF) を使用して安全制約を保証する。
3. フォーメーション制御
提案された推定器と導出された安全制約に基づいて、分散型の閉形式フォーメーション追跡コントローラを定式化。
このコントローラには、リアプノフ関数を用いた包括的な安定性解析と収束証明が付属しており、通信が途絶えた環境でも安全で安定したフォーメーション制御を保証する。
4. ストリング安定性
リーダーフォロワーフォーメーション制御の重要な性能指標としてストリング安定性を導入し、フォーメーション階層全体での外乱の減衰を保証する。