本論文では、完全到達可能な自動機の決定問題を多項式時間で解くアルゴリズムを提案している。
まず、証人(witness)という概念を導入し、証人の検証が多項式時間で行えることを示した。証人とは、自動機が完全到達可能でないことを示す、到達不可能な部分集合である。
次に、証人を見つける効率的なアルゴリズムを提案した。このアルゴリズムは、n状態の自動機に対して、O(min(|Σ|, n) · |Σ| · n^2)時間で動作する。
さらに、完全到達可能な自動機の到達閾値に関する新しい上界を示した。具体的には、n状態の完全到達可能な自動機の任意の非空部分集合Sは、長さ2n(n-|S|)以下の単語で到達可能であることを証明した。これは、Don予想の弱い版を示したことになる。
この結果は、完全到達可能な自動機の同期化閾値を2n^2 - n ln n - 2n以下と導いた。これは、Černý予想の弱い版を示したことになる。
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