Kernekoncepter
自然言語推論タスクにおける意味的特徴の因果効果を推定し、広く使われているモデルの頑健性と感度を明らかにする。
Resumé
本研究では、自然言語推論(NLI)タスクの構造化されたサブタスクを対象に、文脈の単調性と挿入語対の関係という2つの意味的特徴の因果効果を推定する。具体的には以下の通り:
- NLI-XYデータセットを使用し、文脈変更と語対変更に関する介入実験を行う。これにより、モデルの頑健性と感度を定量的に評価する。
- 大規模ベンチマークデータセットで高性能を示すモデルと、小規模ヘルプデータセットで微調整したモデルを比較する。
- 頑健性と感度の観点から、モデルの振る舞いの違いを明らかにする。
- 従来指摘されていた単調性バイアスや否定辞の無視といった問題を、因果効果の観点から裏付ける。
全体として、本研究は自然言語推論モデルの振る舞いを因果的に分析し、ベンチマーク精度だけでは捉えきれない重要な洞察を提供している。
Statistik
文脈の単調性が変化しても予測が変わらない場合の割合は、roberta-large-mnliで0.107、roberta-large-mnli-helpで0.163。
挿入語対が変化すると予測が変わる割合は、roberta-large-mnliで0.613、roberta-large-mnli-helpで0.754。
Citater
"高精度のベンチマーク結果を示すモデルでも、文脈構造の変化に適応できないという系統的な失敗が見られる。これは語対関係への過度の依存を示唆している。"
"文脈単調性への感応性を高める既存の戦略は、語対挿入変化に対する頑健性も高めることがわかった。"