Kernekoncepter
本稿では、独立して同調可能なデュアルパスバンドを備えた、シリコンオンインシュレータ(SOI)プラットフォーム上に集積されたフォトニックフィルタ(PF)について述べています。
Resumé
等価チャープ化4相シフトサンプリングブラッググレーティングに基づく広帯域同調フォトニックフィルタの概要
本論文は、シリコンオンインシュレータ(SOI)プラットフォーム上に集積された、独立して同調可能なデュアルパスバンドを備えた新規なフォトニックフィルタ(PF)設計について詳述しています。この設計では、2つのπ位相シフト(π-PS)と2つのマイクロヒーター(MH)の熱光学相互作用を備えた、等価チャープ化24 4相シフト側壁サンプリングブラッググレーティング(4PS-SBG)を活用しています。
グレーティングの等価チャープにより、2つのパスバンドの光子が空間的に分離され、パスバンド波長の独立した同調が可能になります。この等価チャープは、ナノメートルスケールのシードグレーティング周期を調整するよりも製造の複雑さを大幅に軽減する、ミクロンレベルのサンプリング周期を線形に変調することによって実現されます。2つのMHが2つのPSポイントの位置に配置されています。熱光学効果を利用して2つのPSの位相振幅を変更することにより、パスバンドの位置を正確に調整できます。26 4PS-SBGとMHの統合により、マルチMRRおよびSBSフィルタと比較して設計の柔軟性が向上し、狭帯域で調整可能、かつカスタマイズ可能なマルチパスバンドフィルタの開発が可能になります。
集積化されたPFは、387 GHzの周波数間隔同調範囲を示し、単一パスバンドで-3 dBの帯域幅16 GHzを達成しました。さらに、光周波数分割実験で半導体モード同期レーザー(SMLL)を使用することにより、PFは阻止帯域スペクトル範囲内の干渉信号を抑制し、100 GHzから400 GHzまでの優れた光周波数分割性能を達成し、最大サイドモード抑制比(SMSR)は10 dBを超えました。