Dekker, D., Krackhardt, D., Doreian, P., & Krivitsky, P. N. (2024). Balance Correlations, Agentic Zeros, and Networks: The Structure of 192 Years of War and Peace. arXiv preprint arXiv:2312.04358v2.
本研究は、国際関係におけるバランス理論を、従来の敵対・友好関係の二項対立的な視点を超えて、中立・非関係(エージェンティックゼロ)も考慮に入れた上で、192年間(1816年から2007年)にわたる国家間関係のデータを用いて検証することを目的とする。
本研究では、国家間の関係を、防衛同盟を正の関係、軍事行動を負の関係、それ以外を中立・非関係として符号付きグラフで表現し、新たに開発した「バランス相関」を用いて分析を行った。バランス相関は、特定の三者関係パターン(トライアドシグネチャー)の出現頻度を、そのパターンがバランス理論の予測と一致する程度を測定する指標である。
分析の結果、従来のバランス理論で予測される4つのバランス状態(「友人の友人は友人」「友人の敵は敵」「敵の友人は敵」「敵の敵は友人」)のうち、「敵の敵は友人」というパターンのみが、統計的に有意な正の相関を示した。一方、その他のバランス状態や、バランスが崩れている状態を予測するパターンについては、有意な相関は見られなかった。
本研究の結果は、国際関係においては、「敵の敵は友人」というバランス状態が最も強く観察される一方で、その他のバランス状態は必ずしも成立しないことを示唆している。また、中立・非関係は、従来のバランス理論では無視されてきたが、国家間関係のバランスを理解する上で重要な役割を果たしている可能性が示唆された。
本研究は、国際関係におけるバランス理論の新たな視点を提供するものである。従来の研究では、敵対・友好関係の二項対立的な視点が中心であったが、本研究は、中立・非関係も考慮することで、より現実に近い形で国際関係のダイナミクスを捉えることができることを示した。
本研究は、国家間関係を単純化してモデル化しているため、より複雑な国際関係のダイナミクスを捉えきれていない可能性がある。また、本研究では、192年間という長期的なデータを用いているが、より短期的な時間スケールでの分析も必要であると考えられる。
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