Kernkonzepte
思春期の若者における大麻の使用は、脳、特に大脳皮質の菲薄化と関連しており、学習、対人関係、意思決定、精神疾患のリスクなどに影響を与える可能性がある。
Zusammenfassung
思春期の若者における大麻使用と大脳皮質菲薄化の関連性:研究レビュー
本稿は、思春期の若者における大麻使用と大脳皮質菲薄化の関連性について調査した研究論文を要約したものである。
過去の研究において、10代の若者における大麻の使用と脳の成熟過程の変化との関連性が指摘されてきたが、その細胞レベルおよび分子レベルでのメカニズムは解明されていなかった。
本研究では、以下の3段階の手法を用いて調査が行われた。
思春期の雄マウスにTHCまたは合成カンナビノイド(WIN 55,212-2)を投与し、遺伝子発現、スパインの数、前頭葉皮質における樹状突起の複雑さの変化を評価した。
16歳までに大麻を使用した経験のある140人の男性と、使用経験のない327人の男性の計467人の思春期の若者を対象に、MRIを用いて34の脳領域における皮質の厚さを測定し、その違いを比較検討した。
マウスを用いた実験を再度行い、THC関連遺伝子13個と皮質の厚さのばらつきとの関連性を調べた。仮想組織学により、これらの13個の遺伝子が、アストロサイト、ミクログリア、樹状突起の発現を調節する遺伝子が豊富な錐体細胞の細胞マーカーと共発現していることが明らかになった。