Kernkonzepte
本稿では、任意の奇数クエリ局所復号可能符号(LDC)に対し、従来よりも強い下界を証明しました。従来手法では困難であった奇数クエリの場合においても、新しい擬似ランダム性条件である「近似強正則性」を導入することで、効率的な復号を阻害する符号長の限界を示しました。
本稿は、奇数個のクエリを使用する局所復号可能符号(LDC)の下界に関する論文です。LDCは、符号化されたデータの一部を、データ全体を復号することなく復元できる符号です。本稿では、任意の奇数クエリLDCに対し、従来よりも強い下界を証明しました。
LDCは、データストレージや分散コンピューティングなど、様々な分野で応用されています。LDCの効率性を評価する上で、符号長とクエリ複雑度のトレードオフは重要な要素です。従来の研究では、偶数クエリLDCに対しては強い下界が示されていましたが、奇数クエリLDCに対しては、同様の強い下界を示すことは困難とされていました。