Kernkonzepte
従来のヘテロダイン読み出し法では3dBの信号対雑音比のペナルティが避けられないが、本稿では、高周波の直交位相エンタングルされた2モードスクイーズド状態を用いることで、このペナルティを回避し、オーディオ帯域信号の読み出し感度をさらに向上させる量子強化ヘテロダイン読み出し法を実験的に実証した。
Zusammenfassung
量子強化ヘテロダイン読み出し法による差動干渉計の実験的実証
本稿は、従来のヘテロダイン読み出し法における信号対雑音比(SNR)のペナルティを回避し、量子的な手法を用いることで更なる高感度化を実現した実験的研究論文である。
本研究は、2つの空間的に分離された干渉計に対して、量子強化ヘテロダイン読み出し法を用いることで、従来のヘテロダイン読み出し法における3dBのSNRペナルティを回避し、高感度化を実現することを目的とする。
2つの空間的に分離されたマイケルソン干渉計を用い、それぞれに周波数の異なる搬送波(上側搬送波と下側搬送波)を入射する。
各干渉計に信号を注入し、その出力光を結合共振器で空間的に重ね合わせる。
結合された光を平衡検出器で測定し、ヘテロダイン検波により信号を抽出する。
量子ノイズの低減のため、周波数非縮退光パラメトリック発振器(OPO)を用いて生成した2モードスクイーズド状態を干渉計に注入する。