本論文では、デコーダ側のみに相関情報が利用可能な分散圧縮問題を考える。ソースは一様分布に従う一様ソースを対象とし、量子化とエントロピー符号化を組み合わせた圧縮手法について検討している。
まず、量子化された相関情報がある場合の問題を解析し、エントロピー-歪み関数の上界と下界を導出した。上界は最適な量子化パラメータを見つける非凸最適化問題の解として得られ、下界は凸包を用いて導出した。
次に、ノイズ付き相関情報がある場合の問題を考え、同様にエントロピー-歪み関数の上界と下界を導出した。上界は達成可能な圧縮手法を構成することで得られ、下界は相関情報が両エンコーダとデコーダで利用可能な場合の問題の下界を用いて導出した。
これらの結果は、低次元特徴が高次元空間に埋め込まれたプロセスの圧縮問題に応用できる可能性があり、ニューラルネットワークを用いた分散圧縮手法の設計に役立つと考えられる。
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