Conceptos Básicos
急性網膜虚血と虚血再灌流障害は網膜神経細胞死と視力喪失の主要な原因である。マウスモデルの開発により、網膜虚血再灌流過程の病態メカニズムの解明と治療法開発が期待される。
Resumen
本研究では、シリコンワイヤーによる塞栓と総頸動脈結紮を組み合わせた新規マウスモデル(UPOAO)を開発し、網膜虚血再灌流過程の病態変化を包括的に解析した。
- 60分間の虚血により、網膜神経節細胞、双極細胞、水平細胞、コリン作動性アマクリン細胞の顕著な障害と視機能低下が認められた。
- OCTおよびHE染色では、特に内層網膜の著明な菲薄化が観察された。
- 経時的な遺伝子発現解析により、虚血期は免疫細胞遊走、酸化ストレス関連、再灌流期は免疫炎症関連の病態変化が明らかとなった。
- 網膜内在性ミクログリアと末梢白血球の浸潤亢進が再灌流期に特徴的であった。
- UPOAO modelは既存の虚血再灌流モデルと比較して、脂質・ステロイド代謝関連遺伝子の特異的な変動を示した。
本モデルは網膜虚血再灌流障害の病態解明と治療法開発に有用な新規ツールとなることが期待される。
Estadísticas
網膜神経節細胞数は60分虚血後3日目で有意に減少した。
b波振幅は60分虚血後3日目に低下し、7日目にはコントロールの50%以下に減少した。
OPs波振幅は60分虚血後7日目に有意に低下した。
内層網膜(IMRL)の厚さは虚血7日後に有意に減少した。
Citas
「急性網膜虚血と虚血再灌流障害は網膜神経細胞死と視力喪失の主要な原因である」
「本研究では、シリコンワイヤーによる塞栓と総頸動脈結紮を組み合わせた新規マウスモデル(UPOAO)を開発し、網膜虚血再灌流過程の病態変化を包括的に解析した」
「本モデルは網膜虚血再灌流障害の病態解明と治療法開発に有用な新規ツールとなることが期待される」