本論文は、光触媒と酵素触媒を組み合わせた、エナンチオ選択的な三成分ラジカルクロスカップリング反応に関する研究論文である。
多成分反応は、複雑な化合物を効率的に合成できる強力な手法であるが、複数の基質、特に複数のラジカル中間体を扱う必要があるため、酵素を用いた反応系への応用は困難であった。近年、化学触媒を用いたラジカル分類が注目されているが、ラジカルの立体化学制御が困難なため、エナンチオ選択的な反応の開発は困難であった。
本研究では、チアミン依存性酵素を指向性進化させ、光レドックス触媒と組み合わせることで、エナンチオ選択的な三成分ラジカルクロスカップリング反応を開発した。この反応系では、アルデヒド、α-ブロモカルボニル化合物、アルケンの3種類の基質から、エナンチオマー過剰率の高いケトン化合物を合成することができる。また、反応機構解析により、光触媒と酵素触媒が協調的に作用することで、3種類のラジカル中間体の反応性を制御していることが明らかになった。
本研究で開発した反応系は、幅広い基質に対して適用可能であり、25例において97%以上のエナンチオマー過剰率を達成した。本研究成果は、複雑な構造を持つ光学活性化合物の効率的な合成法を提供するものであり、医薬品や農薬などの開発に貢献することが期待される。
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by Zhongqiu Xin... a las www.nature.com 11-21-2024
https://www.nature.com/articles/s41586-024-08399-5Consultas más profundas