Keskeiset käsitteet
群11族元素(Cu、Ag、Au)の静的双極子分極率を相対論的結合クラスター法を用いて計算し、スカラー相対論効果、スピン軌道相互作用、完全相対論的Dirac-Coulomb効果の3種類の相対論的効果を調査した。最終的な推奨値と不確定性は、Cu: 46.91 ± 1.30、Ag: 50.97 ± 1.88、Au: 36.68 ± 0.62 a.u.である。
Tiivistelmä
本研究では、群11族元素(Cu、Ag、Au)の静的双極子分極率をDirac-Coulomb結合クラスター法を用いて計算した。
まず、スカラー相対論効果、スピン軌道相互作用(SOC)、完全相対論的Dirac-Coulomb効果の3種類の相対論的効果を調査した。その結果、スカラー相対論効果が最も大きな相対論的寄与であり、SOC効果は無視できるほど小さいことがわかった。
次に、電子相関効果の影響を評価した。電子相関効果は、正確な双極子分極率を計算するために重要な役割を果たすことが示された。
最終的な推奨値と不確定性は以下の通りである:
- Cu: 46.91 ± 1.30 a.u.
- Ag: 50.97 ± 1.88 a.u.
- Au: 36.68 ± 0.62 a.u.
これらの値は、文献の推奨値とよく一致しており、特にAgとAuについては不確定性が大幅に減少している。
Tilastot
非相対論的DHF法によるCuの双極子分極率は77.18 a.u.
非相対論的CCSD(T)法によるCuの双極子分極率は50.20 ± 0.01 a.u.
スカラー相対論的CCSD(T)法によるCuの双極子分極率は46.57 a.u.
完全相対論的Dirac-Coulomb CCSD(T)法によるCuの双極子分極率は48.79 ± 0.85 a.u.
非相対論的DHF法によるAgの双極子分極率は105.52 a.u.
非相対論的CCSD(T)法によるAgの双極子分極率は62.67 a.u.
スカラー相対論的CCSD(T)法によるAgの双極子分極率は50.80 a.u.
完全相対論的Dirac-Coulomb CCSD(T)法によるAgの双極子分極率は51.91 ± 0.58 a.u.
非相対論的DHF法によるAuの双極子分極率は106.66 ± 0.01 a.u.
非相対論的CCSD(T)法によるAuの双極子分極率は62.50 ± 0.01 a.u.
スカラー相対論的CCSD(T)法によるAuの双極子分極率は36.43 ± 0.01 a.u.
完全相対論的Dirac-Coulomb CCSD(T)法によるAuの双極子分極率は37.13 ± 0.35 a.u.