Concepts de base
クラウドソーシングコンテストに参加する個人は、コンテストに勝つための競争的動機と、コミュニティへの協調的参加動機の間で葛藤に直面する。高スキルの参加者ほど、自身の利益のために競争的に評価する傾向が強くなる一方で、他のコミュニティメンバーに寛容な評価をすることで、協調的行動を示す。
Résumé
本研究は、クラウドソーシングコミュニティにおける参加者の評価行動を分析した。
- 参加者は、コンテストに勝つための競争的動機と、コミュニティへの協調的参加動機の間で葛藤に直面する。
- 参加者のスキルが高いほど、自身の利益のために競争的に評価する傾向が強くなる。具体的には、自己プロモーションから他者への妨害行為へと移行する。
- しかし同時に、自身の勝利を脅かさない参加者に対しては寛容な評価を行う。これは、戦略的な自己評価行動に対する協調的な補償行動と解釈できる。
- 戦略的な評価行動は、長期的にはコミュニティの構造に影響を及ぼす。低スキルの参加者は将来の参加を減らすが、高スキルの参加者は逆に増加する。
Stats
コンテスト賞金が増加した後、競争参加者の0点評価の確率が2.2%上昇した。
中でも上位1四半期は2.3%、下位1四半期は2.0%の上昇であった。
一方で、中立的な参加者による評価では、コンテスト作品の質が有意に向上していた。