本論文は、ソフトウェア定義ネットワーク(SDN)とネットワーク機能仮想化(NFV)の概念を統合し、サーバレスコンピューティングを活用したモジュラーなSDNアーキテクチャを提案している。従来のモノリシックなSDNコントローラとは異なり、提案アーキテクチャではSDNの中核機能と管理アプリケーションを分離し、後者をサーバレスプラットフォーム上で実行することで、エネルギー効率と柔軟性を向上させている。
具体的には、ネットワーク層、イベント処理層、関数管理層の3つの層から構成される。ネットワーク層はSDNの基本機能を提供し、イベント処理層はSDNイベントの外部処理を担う。関数管理層ではサーバレス関数としてネットワークサービスを提供する。
この分散型SDNアーキテクチャにより、ネットワーク情報とステータスの同期と一貫性が維持されつつ、個別コンポーネントの開発と再利用が容易になる。また、サーバレス関数の動的スケーリングによりエネルギー効率が向上する。
提案アーキテクチャの性能を分析するための数理モデルを示し、プロトタイプ実装とDockerコンテナ環境との比較評価を行った。実験結果は、提案アーキテクチャがエネルギー消費とサービス提供遅延の両面で優れた性能を発揮することを示している。
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