本研究は、ソーシャルメディアにおける憎悪表現の使用と、低信頼性のニュースへの露出との関係性を調査したものである。
まず、憎悪表現を使用するユーザー(憎悪話者)と、同じ対象について非憎悪的に投稿するユーザー(非憎悪話者)の2つのグループを抽出した。次に、それぞれのグループがフォローしているアカウントが投稿したツイートを収集し、そこに含まれるニュースリンクの信頼性を分析した。
その結果、以下の知見が得られた:
憎悪話者は、非憎悪話者に比べて、低信頼性のニュースソースからのツイートに多く露出している。
この傾向は、ユダヤ人やムスリムを標的とした憎悪表現を使用するユーザーに特に顕著である。その他の対象グループでは有意な差は見られない。
憎悪話者は、特に人気の低い低信頼性のニュースに多く露出している。一方、人気の高い低信頼性のニュースへの露出には差がない。
ユダヤ人を標的とした憎悪話者は、極左寄りの低信頼性ニュースに多く露出しているのに対し、ムスリムを標的とした憎悪話者は、保守寄りの低信頼性ニュースに多く露出している。
これらの結果は、憎悪表現とフェイクニュースの間に有害な相乗効果があることを示唆している。フェイクニュースの拡散を抑制し、信頼できる情報源へのアクセスを促進することが、憎悪表現の削減にも役立つ可能性がある。
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