本研究では、ネットワーク内の各ノードの全体システムに対する影響力と全体システムからの影響を定量化するための新しい手法を提案した。具体的には、ノードから全体システムへの「発信伝達エントロピー」と全体システムからノードへの「受信伝達エントロピー」を計算することで、最も影響力の強い「ハブ」ノードと最も脆弱な「アンチハブ」ノードを特定する。
従来の伝達エントロピーの推定手法では、ノード数が観測サンプル数に匹敵する場合や超える場合に大きな推定誤差が生じる問題があった。そこで本研究では、まず有意な相互作用のあるノード間のみを抽出するネットワーク構築の前処理を行い、その上で発信伝達エントロピーと受信伝達エントロピーを推定する手法を提案した。
シミュレーションデータを用いた検証では、提案手法が従来手法に比べて大幅に推定精度を向上させることが示された。また、実際の口腔内細菌叢データへの適用により、既知の重要細菌種を正しく同定できることが確認された。本手法は、ネットワーク内の影響力の強い頂点と脆弱な頂点を特定する強力なツールとなることが期待される。
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