Concepts de base
拡張現実ゲームにおいて、社会環境と相互作用の焦点が
ユーザー体験と社会的受容性に影響を及ぼす。
Résumé
本研究は、拡張現実ゲームにおいて、社会環境(混雑/非混雑)と相互作用の焦点(共通目標あり/なし)が、ユーザー体験と社会的受容性にどのような影響を及ぼすかを調査した。
実験参加者28名に、4つの条件(混雑環境・共通目標あり、混雑環境・共通目標なし、非混雑環境・共通目標あり、非混雑環境・共通目標なし)でスキャベンジャーハントゲームをプレイしてもらい、ユーザー体験、社会的存在感、社会的受容性について評価を行った。
結果、社会環境の違いは社会的受容性に影響を及ぼし、非混雑環境の方が高い受容性が示された。一方、相互作用の焦点の違いは社会的存在感の各側面(全体的存在感、心理的関与、注意的関与、感情的感染)に影響し、共通目標のない条件で高い値が得られた。
ユーザー体験については、環境や相互作用の焦点の違いによる有意な差は見られなかった。
このように、拡張現実ゲームにおいて、社会的要因が重要な役割を果たすことが示された。ゲームデザインにあたっては、これらの要因を慎重に考慮する必要がある。
Stats
非混雑環境の社会的受容性が有意に高かった(U0: M= 2.46, SD= 0.93; U1: M= 2.60, SD= 0.88 vs. C0: M= 2.20, SD= 1.21; C1: M= 2.10, SD= 1.39)。
共通目標のない条件で、全体的社会的存在感(U0: M= 0.10, SD= 0.90; C0: M=0.01, SD= 0.95 vs. U1: M=-0.53, SD = 0.84; C1: M= -0.65, SD= 0.97)、知覚された心理的関与(U0: M= 0.11, SD= 0.84; C0: M=0.01, SD= 0.96 vs. U1: M=-0.53, SD= 0.86; C1: M= -0.68, SD= 1.03)、知覚された注意的関与(U0: M= 0.57, SD= 0.77; C0: M=0.26, SD= 1.14 vs. U1: M=-0.50, SD= 1.07; C1: M= -0.86, SD= 1.13)、知覚された感情的感染(U0: M= 0.02, SD = 1.31; C0: M=0.15, SD= 1.41 vs. U1: M=-0.63, SD= 1.24; C1: M= -0.67, SD= 1.27)が有意に高かった。