本論文は、バナッハ空間の直和における抽象カデッツ・クリー特性について考察しています。カデッツ・クリー特性とは、単位球面上の点列の弱収束とノルム収束が一致する性質を指します。抽象カデッツ・クリー特性は、弱収束の代わりに、より一般的な線形ハウスドルフ位相に関する収束を用いることで定義されます。
論文では、まず、直和空間における抽象カデッツ・クリー特性が、構成要素である空間のカデッツ・クリー特性のみによって決定されるわけではないことを示しています。具体的には、直和空間が抽象カデッツ・クリー特性を持つためには、構成要素である空間が適切なカデッツ・クリー特性を持つことに加えて、直和空間のノルム構造に関するある種の二分性が必要となります。
この二分性は、構成要素である空間のシュール特性と、直和空間のノルムを定義するバナッハ数列空間の狭義単調性によって特徴付けられます。論文では、これらの条件が、弱位相や測度の局所収束位相など、カデッツ・クリー特性の考察に関連する他の位相に対しても自然な枠組みを提供することを示しています。
さらに、論文では、構成要素である空間がすべて同一であるような直和空間、すなわちケーラー・ボッホナー数列空間について考察し、古典的なカデッツ・クリー特性に関する既存の結果を再現するとともに、いくつかの結果を改善しています。
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