本研究では、2023年5月から11月の期間に発生した北半球の熱帯低気圧について、4つのオープンソースのAIWPモデル(FourCastNetv1、FourCastNetv2-small、GraphCast-operational、Pangu-Weather)の7日間の進路と強度予報を検証した。
進路予報の誤差は、最良の運用モデルと同等の水準であった。一方、強度予報の誤差は、単純な気候学と持続性に基づく予報よりも大きかった。AIWPモデルは、特に予報初期の24時間以内に強度を大幅に過小評価する傾向があり、大きな負のバイアスが見られた。
AIWPモデルを運用モデルのコンセンサスに加えると、進路予報の精度が最大11%改善された。これは、2001年から2023年にかけてNHCの公式5日間進路予報の誤差が年間約2%改善されてきたことを考えると、5年以上の精度向上に相当する。一方、強度予報のコンセンサスへの影響は中立的であった。
これらの結果から、現在のAIWPモデルの設計では、進路予報への活用が期待できるが、バイアス補正や改良が必要で、強度予報への直接の活用は難しいと考えられる。
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