本研究では、分子動力学(MD)シミュレーションを用いて、極性分子であるグリセロールの立方体誘電応答スペクトルを直接計算した。液体状態から弱い過冷却領域にかけて、立方体モジュラスにヒュームの出現と成長が観察された。このヒュームの進化は、四点感受率によって探査された動的相関の進化に従っている。また、この現象の出現は、高温側での超活性化の開始と一致することが示された。
シミュレーションでは、双極子間の相関効果がグリセロールの立方体応答の形状にほとんど影響しないことが明らかになった。実験結果との良好な一致は、この手法が非線形誘電分光法によって探査される複雑な効果を理解する上で有用であることを示している。
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