Alapfogalmak
本論文では、線形時変システムにおける新しい可観測性の概念である「非一様完全可観測性」を導入し、その性質、特に出力フィードバックによる保存性と、非一様完全可制御性との双対性について論じている。
Kivonat
本論文は、線形時変システムの制御理論における重要な概念である可観測性に関するものである。従来の可観測性の概念である一様完全可観測性よりも一般的な概念として、非一様完全可観測性を導入し、その性質について詳細に議論している。
論文の構成と要点
本論文は、導入、基本概念、非一様完全可観測性の定義、出力フィードバックによる保存性、双対性と応用、結論の順に構成されている。
導入
- 可観測性は、システムの出力から内部状態を復元できるかどうかを測る重要な概念である。
- 線形時不変システムと線形時変システムの可観測性の解析には、類似点と相違点がある。
- 本論文では、従来の一様完全可観測性よりも一般的で、完全可観測性よりも特殊な、非一様完全可観測性を導入する。
基本概念
- 非一様完全可制御性は、一様完全可制御性よりも制約の少ない概念である。
- Kalman条件を満たさないシステムにも適用可能な、非一様有界増加の概念を導入する。
非一様完全可観測性の定義
- 可観測性グラミアン行列を用いて、非一様完全可観測性を定義する。
- 一様完全可観測性との関係について考察する。
出力フィードバックによる保存性
- 出力フィードバックを用いても、非一様完全可観測性が保存されることを証明する。
- 非一様有界増加の性質が出力フィードバックによって保存されることを示す。
双対性と応用
- 非一様完全可観測性と非一様完全可制御性との双対性を示す。
- 双対性を利用して、入力フィードバックによって非一様完全可制御性が保存されることを証明する。
結論
- 非一様完全可観測性は、線形時変システムの解析に有用な新しい概念である。
- 出力フィードバックによる保存性や、非一様完全可制御性との双対性は、制御理論において重要な意味を持つ。
今後の課題
- 非一様有界増加の代わりに、非一様Kalman条件を用いた場合の結果の一般化
- 可観測性と検出可能性の対応関係の研究