本論文では、不適切問題を安定に解くための一般的な計算手法を提案している。具体的には以下の通りである:
不適切問題を記述する線形偏微分方程式をSchr¨odingerization手法により1次元高次元のSchr¨odinger型方程式に写像する。この写像により、元の不適切問題は時間逆転可能なハミルトン系に変換される。
Schr¨odinger型方程式は安定に解くことができるため、前進・後退双方向の計算が可能となる。
元の変数は、適切に選択された拡張次元上の情報から復元することができる。
具体例として、逆熱方程式と虚数波速を持つ線形対流方程式を取り上げ、誤差解析を行い、数値実験により検証している。
提案手法は古典コンピュータだけでなく量子コンピュータでも実装可能であり、量子アルゴリズムも示している。
全体として、不適切問題に対する一般的で安定な数値解法を提案しており、物理応用分野での重要性が高い。
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