本研究では、ウラン酸化物UO2の磁性と格子振動の相互作用を高磁場下で調べた。
実験では、UO2単結晶に対して位相感応パルスエコー法を用いて超音波測定を行った。磁場0テスラ、17テスラ、最大65テスラまでの範囲で、縦波弾性定数C11と横波弾性定数C44の磁場依存性を調べた。
理論解析では、第一原理計算に基づく超交換相互作用モデルを用いて、UO2の磁化過程をシミュレーションした。その結果、UO2の磁気構造が約50テスラの磁場で3k構造から2k構造に変化することが予測された。
実験では、C11弾性定数に50テスラ付近で明確な異常が観測された。これは、理論的に予測された3k→2k磁気構造転移に対応するものと考えられる。この転移は、磁気モーメントの連続的な回転によって生じ、同時に四極子モーメントにも異常が現れると理論的に示された。
以上の結果は、UO2における複雑な磁気-格子相互作用の理解を深める上で重要な知見を提供するものである。高磁場下での超音波測定と理論解析の組み合わせにより、UO2の磁気構造変化の詳細が明らかになった。
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