本研究では、水中推進のための新しい原理を提案している。水生動物の多くは、推進力を得るためにドラッグベースの推進を利用している。その中でも水鳥は、足の膜を使った効率的な水中推進を行うことが知られている。
研究では、水鳥の腱結合メカニズムに着目し、これを模倣したロボット脚を開発した。実験の結果、腱結合メカニズムを備えた脚は、回復相から推進相への位相遷移時間を短縮することで、推進効率を2.0倍から2.4倍向上させることができることが示された。一方で、地上歩行における効率向上に寄与すると考えられていた関節クラッチメカニズムは、水中推進では大きな役割を果たさないことが明らかになった。
本研究の成果は、水生動物の推進メカニズムの理解を深めるとともに、水中ロボットの推進効率向上に寄与するものと期待される。
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