本研究では、セロトニンが、ロバの appetitive な行動的応答を嗅覚刺激に依存的に調整することを示した。具体的には以下のような知見が得られた:
セロトニンは、ある種の食べ物関連の嗅覚刺激(ヘキサノール、ベンズアルデヒド)に対する appetitive な行動的応答を増強したが、別の嗅覚刺激(リナロール)に対する appetitive な応答を抑制した。一方で、アンモニアに対する応答は変化しなかった。
嗅覚刺激に対する神経活動の強度は、セロトニン投与によって全般的に増強されたが、嗅覚刺激の同定に関わる時間的パターンや組み合わせ応答プロファイルは変化しなかった。
単純な線形モデルを用いて、セロトニンによる神経活動の一様な増強が、嗅覚刺激に依存した appetitive 行動の変化をもたらすことを説明できた。このモデルでは、appetitive 行動に関連する神経集団と抑制的な神経集団が分離されていることが重要であった。
以上の結果から、セロトニンは嗅覚刺激に対する神経活動の強度を一様に増強しつつ、appetitive 行動を嗅覚刺激依存的に柔軟に調整することが示された。
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