Alapfogalmak
地上設置型超高エネルギーガンマ線天文学は、イメージング大気チェレンコフ望遠鏡(IACT)の技術革新によって発展を遂げ、宇宙の謎を解明する重要な手段となった。
Kivonat
イメージング大気チェレンコフ望遠鏡技術の発展
本稿は、地上設置型超高エネルギーガンマ線天文学におけるイメージング大気チェレンコフ望遠鏡(IACT)の技術革新を時系列で解説する、学術論文である。
当時のX線源に関する知識不足のため、観測対象の選定は困難を極めた。
主に軍用サーチライトの鏡面を用いた、単一光子計測型の望遠鏡が主流であった。
望遠鏡の口径が小さく、感度が低いため、有意なガンマ線源の検出には至らなかった。
背景事象である夜空の光の変動が、信号検出に大きな影響を与えていた。
チュダコフの望遠鏡(1960年)
クリミアに設置された、口径1.55mの鏡面を12台備えた望遠鏡システム。
比較的大口径の鏡面と、複数望遠鏡間の時間一致システムを採用。
夜空の光の変動を抑制する電子回路を搭載していた。
約4年間の観測にも関わらず、ガンマ線源の検出には至らなかった。
ホイップル望遠鏡(1968年)
アリゾナ州に設置された、口径10mの大口径望遠鏡。
当初は単一光子計測型であったが、後に37ピクセルのイメージングカメラを搭載。
ヒラスによる画像パラメータ化の手法により、1989年にかに星雲からのガンマ線を検出。
地上設置型超高エネルギーガンマ線天文学の誕生に大きく貢献した。
イメージング技術の導入により、背景事象を大幅に抑制することが可能となった。
複数台の望遠鏡を組み合わせたステレオ観測により、感度が向上した。
より低いエネルギー領域(100GeV以下)の観測を目指した研究開発が進められた。
HEGRA望遠鏡(1992年)
スペイン領カナリア諸島ラ・パルマ島に設置された、6台の望遠鏡からなるステレオ観測システム。
ステレオ観測の有効性を証明し、多くの重要な科学的成果を挙げた。
MAGIC望遠鏡(2003年)
スペイン領カナリア諸島ラ・パルマ島に設置された、口径17mの単一望遠鏡。
超高速の光電子設計により、100GeV以下の極低エネルギー領域の観測を実現した。