本論文では、複数のパラメータを持つ量子状態から、単一コピーの状態を用いて最適に推定する問題を扱っている。
量子クラメール・ラオ限界は、どのような測定を行っても達成できない場合があることが知られている。本論文では、この限界を達成するための必要十分条件を明らかにした。
特に、射影測定を用いる場合の条件を示した。その条件は、対称対数微分演算子の可換性と、非線形偏微分方程式系の解の存在である。これらの条件を満たせば、最適な射影測定が構成できることが示された。
また、一般の測定(射影測定以外も含む)について、最適測定の構造が明らかにされた。これにより、必要十分条件の別証明や、最適な一般測定の記述が得られた。
さらに、具体的な例を用いて、必要十分条件を満たす場合の最適測定の構造が示された。
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