本研究では、DeFiプロトコルが提供する金融サービスの類似性を調査するため、グラフ表現学習アルゴリズムを使ってDeFiの基本的な金融機能ユニット(ビルディングブロック)のエンベディングを生成し、クラスター化を行った。
まず、既存の研究に基づいて、DeFiトランザクションのコール構造から、金融機能を表すビルディングブロックを抽出した。次に、ビルディングブロックのノード(スマートコントラクト)に様々な特徴を割り当て、graph2vecアルゴリズムを使ってグラフレベルのエンベディングを生成した。
生成したエンベディングベクトルを入力として、階層的クラスタリングを行った。クラスタリングの評価には、ビルディングブロックの金融機能カテゴリーとプロトコルの2つのラベルを使用した。
その結果、金融機能カテゴリーラベルでは最高で0.888の純度が得られ、プロトコルラベルでは0.864の純度と0.571のV-Measureが得られた。プロトコル固有のパターンの再利用が、プロトコルレベルのクラスタリングでより高い性能につながっていることが示唆された。
本手法は、DeFiプロトコルが提供する金融サービスの自動カテゴライズに役立ち、また、プロトコル間の類似性を明らかにすることで、DeFiエコシステムの理解を深めることができる。
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