本記事は、「エネルギー移行」という概念が現実離れしたものであり、持続可能な未来に向けた取り組みには根本的な見直しが必要だと主張している。
まず、著者は「エネルギー移行」という用語自体が誤りであると指摘する。過去の歴史を見ると、新しいエネルギー源が導入されても、既存のエネルギー源が完全に置き換えられたことはない。むしろ、新旧のエネルギー源が併存し、全体としての消費量が増加し続けてきた。これは、複雑系である人間社会が最大限のエネルギー取り込みを目指す「最大出力の原理」に従っているためだと説明される。
次に、エネルギー効率の向上も、同様の理由から根本的な解決策にはならないと論じられる。効率化によって節約されたエネルギーは、別の用途で消費されてしまうため、全体としての消費量は減らない。さらに、ジェボンズのパラドックスにより、効率化によって価格が下がれば、かえって需要が増加してしまう。
そして、再生可能エネルギーの導入にも課題があると指摘される。再生可能エネルギーは出力の変動が大きく、電力系統の安定化には膨大な投資が必要となる。また、再生可能エネルギー設備の製造にも多くの化石燃料を必要とするため、エネルギー移行の実現は困難である。
さらに、エネルギー移行に必要な銅やレアメタルなどの資源の供給も限界に近づいており、価格高騰が避けられない状況にあると述べられる。
最後に、著者は、このような現実を直視し、低エネルギー社会への移行を提唱する。技術的な解決策に頼るのではなく、人口減少を活かしながら、地域に根ざした低技術・低エネルギーの持続可能な社会システムを構築することが重要だと結論付けている。
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by pada thehonestsorcerer.medium... 06-03-2024
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