Konsep Inti
CVA6 RISC-Vプロセッサのパフォーマンスモデルを構築し、RTL実装前に性能関連の変更を評価した。CoreMarkでの精度は99.2%である。このモデルを使ってCVA6のスーパースカラ機能を評価した。設計フェーズでモデルを使ってパフォーマンスバグを検出・修正した。スーパースカラ機能によりCVA6のパフォーマンスはCoreMark上で40%向上した。
Abstrak
本論文では、CVA6 RISC-Vプロセッサのパフォーマンスモデルを構築し、RTL実装前に性能関連の変更を評価する手法を提案している。
モデルの構築:
- パフォーマンスのみをシミュレーションし、動作は再現しない
- RVFI(RISC-V Formal Interface)トレースを入力として使用
- パイプラインの発行、実行、コミットの各ステージをモデル化
- データ、構造、制御hazardの管理を実装
- 99.2%の精度でCoreMark 2nd iterationをシミュレーション可能
スーパースカラ化の実装:
- 64ビットの命令フェッチ、デュアルイシュー、2つのALUを順次実装
- モデルを使ってバグ検出や性能改善を行いながら実装を進めた
- 投機的スコアボードを追加し、ブランチミスの影響を軽減
結果:
- スーパースカラ化により、CoreMarkのパフォーマンスが40%向上
- Dhryストーンでも24%の性能向上を確認
- 面積は11%増加したが、最大周波数はほぼ変わらず
今後の課題:
- データキャッシュやFPUの追加
- レジスタリネーミングの実装によるさらなる性能向上
- PQC(Post Quantum Cryptography)ベンチマークでのモデル検証と最適化
Statistik
CoreMark/MHzが3.10から4.35に40.1%向上した。
最大周波数が892MHzから877MHzに1.75%低下した。
消費電力が32.45mWから34.84mWに7.37%増加した。
面積が250kGEから278kGEに11.1%増加した。