Abstrak
本研究は、共有仮想環境(SVE)におけるハプティックインタラクションとアバター表現の組み合わせが、社会的存在感とタスクパフォーマンスに及ぼす影響を初めて探索した。
実験では、参加者がプレート制御タスクを4つのアバター表現条件(両者のアバター表示、自身のアバターのみ表示、パートナーのアバターのみ表示、アバター非表示)で行った。結果、アバター表現、特にパートナーのアバター表示が社会的存在感を大きく高めることが示された。一方で、タスクパフォーマンスや作業の力の強さには条件間で差がなかった。
これらの結果から、物理的なリモートコラボレーションにおいては、ハプティックインタラクションのみでも課題遂行に十分であり、アバター表示は必須ではないことが示唆された。一方で、社会的コミュニケーションチャネルにおいては、視覚的なアバター表現が重要であり、ハプティックインタラクションはそれを補完する役割にとどまることが明らかになった。
Statistik
タスクパフォーマンスは以下の式で定義された:
P = (Σ|xtgt_k - xbll_k|/√N)
作業の力の強さは以下の式で定義された:
F_eff = (1/N·L) Σ(|τ_tot_k| - |τ_plt_k|)
アバターの詳細度(表情、ジェスチャーなど)がユーザー体験に与える影響はどのようなものか。
ハプティックインタラクションとアバター表現の組み合わせが、より大規模なグループ(3人以上)のコラボレーションに及ぼす影響はどのようなものか。
本研究で使用したプレート制御タスク以外の、より複雑な物理的コラボレーションタスクでも同様の結果が得られるか。