Abstrak
本研究では、知識グラフ補完の帰納的設定に対処するため、新しい手法「GLAR」を提案している。従来の手法は、各候補エンティティに対して個別のエンクロージングサブグラフを抽出し、推論を行っていたが、これは非効率的である。
GLAR では、代わりに全候補エンティティを含む単一の開放サブグラフを抽出し、そこで推論を行う。これにより、効率的な推論が可能となる。さらに、GLAR では、ローカルおよびグローバルのアンカー表現を学習することで、エンティティに依存しない豊かな特徴を獲得する。
具体的には、ローカルアンカーとしてサブグラフの中心ノードとその1ホップ近傍ノードを定義し、グローバルアンカーとしてクラスタリングによって選択したノードを使用する。これらのアンカーを用いてノードを表現し、グローバルとローカルの特徴を協調的に伝播させることで、効果的な推論が可能となる。
実験の結果、GLAR は既存の手法と比較して、WN18RR-ind、FB15k237-ind、NELL995-indの各ベンチマークデータセットにおいて、ヒット@10の指標で優れた性能を示すことが確認された。これは、GLAR の開放サブグラフと協調的なグローバル-ローカル特徴学習の有効性を示している。
Kutipan
"知識グラフ補完の帰納的設定では、既存の手法が効率的な推論を行うことが困難である。"
"GLAR では、全候補エンティティを含む単一の開放サブグラフを抽出し、そこで推論を行うことで効率的な推論が可能となる。"
"GLAR では、ローカルおよびグローバルのアンカー表現を学習することで、エンティティに依存しない豊かな特徴を獲得する。"
開放サブグラフの抽出方法をさらに最適化することで、推論の効率をどの程度向上できるか?
グローバルアンカーの選択方法を変更することで、ノード表現の質をどのように改善できるか?
本手法を他の帰納的学習タスクにも適用できるか、その場合の課題と対策は何か?