本研究では、ゼブラフィンチの歌の時間的構造と、その歌を生み出す運動前野の神経細胞の内在的性質の関係を明らかにした。
実験では、3つの異なる方法でゼブラフィンチを育て、成鳥になった個体の歌と神経細胞の性質を調べた。その結果、歌の中で最も長い調波成分の長さが、神経細胞の過剰抑制からの反跳性興奮の大きさと相関することが分かった。
さらに、この関係を再現するネットワークモデルを構築した。モデルでは、神経細胞の内在的性質、特に反跳性興奮が、歌の時間的構造を表現するのに重要な役割を果たしていることが示された。
この結果は、学習された行動と神経細胞の内在的性質の関係を明示的に示した初めての例である。また、神経細胞の内在的性質が、複雑な行動の表現に深く関与していることを示唆している。
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