本論文では、キュネイフォーム文書の非破壊的な探索を目的とした、高解像度コンピューテッド・トモグラフィーデータの効率的な分析と可視化手法について述べている。
まず、ポータブルな高エネルギーX線CTシステムを開発し、収集現場でキュネイフォーム文書を非破壊的にスキャンできるようにした。得られた3Dボリュームデータは、特徴保存型のデノイジング、高精度な表面抽出、キュレーチャー強調レンダリング、アンビエントオクルージョンなどの処理を経て可視化される。
特に、文書と封筒の分離には、曲率に基づくセグメンテーションを用いている。また、文字の認識を支援するため、形状特徴の抽出アルゴリズムを実装している。さらに、ステレオスコピック表示やジェスチャー制御など、インタラクティブな3D表示と操作を可能にする機能を備えている。
これらの手法を実際のキュネイフォーム文書の探索に適用し、封筒の内部にある文書の内容を非破壊的に読み取ることに成功した。本研究は、文化財の保護と研究に貢献するものと期待される。
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