本研究では、「Anti-Hero」と呼ばれる新しい倫理的方法論を提案している。Anti-Heroは、デザイナーの操作的な意図(Anti-Hero)と価値中心的な意図(Hero)を表す12枚のカードから成るデッキである。デザイナーはこれらのカードを使って、デザイン構想、評価、倫理的対話の過程で自身の意図を表現し、検討することができる。
カードデッキの開発では、HCI、STS、デザイン分野の先行研究から、デザイナーの「暗い役割」や「嫌なデザイナー」の特性を抽出し、それらを操作的な意図(Anti-Hero)と対比される価値中心的な意図(Hero)として定義した。さらに、デザイナーの意図を引き出すための3つのアクションカード(評価、逆発想、倫理的対話)を設計した。
4つのプレイテストセッションを通じて、Anti-Heroカードデッキの評価を行った。参加者は、カードを使ってデザイン上の倫理的ジレンマを認識し、自身の行動を振り返ることができた。また、カードの視覚デザインや使用方法に関する提案も得られた。
本研究の成果は、デザイン教育や実践の場で、デザイナーの倫理的意識を高め、価値トレードオフを明確にする上で活用できると考えられる。
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by Shikha Mehta... at arxiv.org 05-07-2024
https://arxiv.org/pdf/2405.03674.pdfDeeper Inquiries