本研究では、眼球運動を安定化させる感覚運動反射回路の発達において、運動ニューロンが不可欠ではないことを示した。
まず、運動ニューロンを欠失したゼブラフィッシュ変異体において、感覚ニューロンと中枢投射ニューロンの適切な機能的接続が維持されていることを明らかにした。感覚ニューロンからの方向性情報は、中枢投射ニューロンに正常に伝達されており、中枢投射ニューロンの方向選択性も変化していなかった。
次に、中枢投射ニューロンが運動ニューロンと適切に接続する能力も保たれていることを示した。中枢投射ニューロンは、長距離の軸索伸長や、運動ニューロンの空間的な位置関係に合わせた軸索分枝形成を維持していた。さらに、シナプス形成に必要な分子マーカーの発現も変化していなかった。
最後に、中枢投射ニューロンの遺伝子発現プロファイルも運動ニューロンの有無によって変化しないことを明らかにした。
以上の結果から、運動ニューロンは、感覚ニューロンと中枢投射ニューロンの適切な接続を決定するための必須の信号源ではないことが示された。感覚入力の特異性や中枢投射ニューロンの運命決定には、運動ニューロン以外の機構が関与していると考えられる。本研究は、感覚運動回路の発達における一般原理を理解する上で重要な知見を提供している。
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by Goldblatt,D.... at www.biorxiv.org 01-27-2024
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