Core Concepts
DNA複製エラーは、適応的進化における重要な遺伝的変異源である。
Abstract
本研究では、出芽酵母のGAP1遺伝子の増幅を通して、DNA複製エラーが適応的遺伝子増幅の主要な要因であることを明らかにしている。
実験的進化の結果、GAP1遺伝子の増幅は全ての株で繰り返し観察されたが、近傍のゲノム要素の欠失は増幅率と適応度効果に大きな影響を及ぼした。ゲノム解析から、GAP1増幅の49%がOrigin Dependent Inverted Repeat Amplification (ODIRA)と呼ばれるDNA複製エラーによって生じることが明らかになった。近傍のARS配列がなくても、遠位のARSがODIRAを媒介することが示された。また、LTRが欠失した場合でも、新規挿入したレトロトランスポゾン配列の組換えによって遺伝子増幅が生じた。
本研究は、ゲノムの驚くべき可塑性を示し、DNA複製エラーが適応的遺伝子増幅の主要な要因であることを明らかにした。
Stats
GAP1遺伝子の増幅率は、野生型株で4.5×10-5/世代、LTR欠失株で1×10-5/世代、ARS欠失株で2.4×10-6/世代と推定された。
GAP1遺伝子の選択係数は、野生型株と LTR欠失株で0.182、ARS欠失株で0.146、全要素欠失株で0.126と推定された。
Quotes
"DNA複製エラーは、適応的遺伝子増幅の主要な要因である。"
"ゲノムの驚くべき可塑性が示された。"