Core Concepts
ウラン-233源から連続供給された三価トリウム-229の核異性体の核分光学的研究により、その核崩壊寿命と超微細構造定数の不確定性を大幅に低減できた。これらの結果は、トリウム-229核時計の実現と新物理探索への応用に不可欠なパラメータを提供する。
Abstract
本研究は、ウラン-233源から連続的に供給される三価トリウム-229の核異性体(229mTh3+)の核分光学的特性を明らかにすることを目的としている。
具体的には以下の成果が得られた:
229mTh3+を連続的に捕捉し、その核崩壊寿命を{1,400}_{-300}^{+600} sと決定した。これは、229Th核時計の固有線幅を特定する上で重要なパラメータである。
229mTh3+の超微細構造定数を決定し、229Th核時計の微細構造定数変動感度の不確定性を4倍低減した。
これらの結果は、229Th3+核時計の実現と新物理探索への応用に不可欠な情報を提供する。特に、核崩壊寿命の決定は、核時計の固有線幅を特定する上で重要な知見である。また、超微細構造定数の決定は、微細構造定数変動の検出感度を大幅に向上させる。これらの成果は、229Th核時計の実用化と新物理探索に大きく貢献するものと期待される。
Stats
229mTh3+の核崩壊寿命は{1,400}_{-300}^{+600} sである。
229mTh3+の超微細構造定数を決定し、229Th核時計の微細構造定数変動感度の不確定性を4倍低減した。
Quotes
"A nuclear clock based on this nuclear-transition frequency is expected to surpass existing atomic clocks owing to its insusceptibility to surrounding fields."
"Although laser spectroscopic studies of 229Th3+ in the nuclear ground state have been performed, properties of 229mTh3+, including its nuclear decay lifetime that is essential to specify the intrinsic linewidth of the nuclear-clock transition, remain unknown."