Concetti Chiave
クロスディレクショナルシステムの閉ループ感度を推定する新しい手法を提案する。モーダル変換を用いて系を単入力単出力システムに分解し、参照信号を最適に設計することで、大規模システムでも感度を効率的に同定できる。
Sintesi
本論文では、クロスディレクショナルシステムの閉ループ感度を同定する新しい手法を提案している。クロスディレクショナルシステムは、多入力多出力で条件数が大きいため、従来の手法では感度を正確に推定するのが困難であった。
提案手法では以下の特徴がある:
モーダル変換を用いて系を単入力単出力システムに分解する。これにより、大規模システムでも感度を効率的に同定できる。
参照信号をモード毎に最適に設計する。これにより、システムの強い方向性を考慮でき、推定精度を高められる。
参照信号の振幅に関する下限と上限を導出する。これにより、推定誤差を所望の範囲に抑えつつ、入出力制約も満たすことができる。
シミュレーションでは、実際のダイアモンド光源の電子ビーム安定化システムのパラメータを用いて評価を行った。その結果、提案手法により感度を精度良く推定できることを示した。
本手法は、ペーパーメーキング、鋼材圧延、バッテリー製造プロセスなど、他のクロスディレクショナルシステムにも適用可能である。
Statistiche
電子ビームの振動は光源の性能に大きな影響を及ぼす
ダイアモンド光源のFOFBシステムは173個のセンサと172個の制御器を使用
応答行列Rの条件数は9837と非常に大きい
Citazioni
"クロスディレクショナルシステムの閉ループ感度を推定するための既存の手法は、開ループと閉ループの測定を比較するものだが、システムの強い方向性のため不安定になりやすく、アクチュエータの飽和にも陥りやすい。"
"提案手法では、参照信号を導入することで、閉ループ下でも補償感度を推定できる。モーダル変換を用いて参照信号をモード毎に設計することで、大規模システムでも適用可能となる。"