本研究では、高スループット一分子追跡(htSMT)プラットフォームを開発し、エストロゲン受容体(ER)の細胞内動態を大規模に解析した。
まず、htSMTシステムの性能を検証するため、異なる拡散係数を持つタンパク質を発現する細胞株を用いて評価した。その結果、htSMTは高い空間・時間分解能を持ち、幅広い拡散係数の範囲を正確に測定できることが示された。
次に、ステロイドホルモン受容体(SHR)ファミリーのメンバー(AR、ER、GR、PR)の細胞内動態を解析した。リガンド刺激によりSHRはクロマチンに結合し、その結合率(fbound)が大きく変化することが分かった。特にERは最も大きな変化を示した。
さらに、5,067化合物からなる生物活性化合物ライブラリーをスクリーニングした結果、既知のERアゴニストやアンタゴニストを同定できただけでなく、ERの動態に影響を及ぼす新規化合物も見出した。これらの化合物は、HSP90阻害剤、プロテアソーム阻害剤、CDK阻害剤など、ERと相互作用する様々なシグナル伝達経路を標的としていることが明らかになった。
さらに、化合物のERに対する作用メカニズムを動態学的に解析したところ、直接的なERへの作用と、間接的な作用を区別できることが示された。
以上の結果から、htSMTは化合物スクリーニングや作用メカニズムの解析に有用な手法であり、タンパク質の動態を大規模に解析することで、新規の生物学的相互作用を明らかにできることが示された。
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Approfondimenti chiave tratti da
by McSwiggen,D.... alle www.biorxiv.org 01-06-2023
https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2023.01.05.522916v4Domande più approfondite