本研究では、C. elegans の世代を超えた病原体回避反応の再現性について調査した。先行研究では、C. elegans の成体と F1 胚が Pseudomonas aeruginosa に暴露されると、病原体回避行動と daf-7/TGFβ レポーター遺伝子の発現上昇が見られ、さらにF2-F4 世代まで継承されることが報告されていた。
しかし、著者らは、F1 世代を超えた病原体回避行動と daf-7 発現の上昇を一貫して検出できなかった。実験方法は詳細に記述されており、試料も入手可能であったが、様々な環境条件の調整を行っても結果は変わらなかった。
著者らは、この世代を超えた表現型の再現性が低いことから、この表現型は実験的な調査に十分な頑健性がないと結論付けた。また、RNAi 経路遺伝子 sid-1 と sid-2 は、F1 世代における病原体回避行動の継承に必要であるが、daf-7 発現の継承には関与しないことを示した。
さらに、RNA-seq データの再解析から、病原体暴露に応答する遺伝子群が内在性 siRNA によって調節される可能性が示唆された。しかし、これらの遺伝子群と世代を超えた病原体回避反応の関係は明らかではない。
総合的に、この表現型の再現性の低さは、実験条件の微妙な違いによって大きく影響を受けることを示唆しており、自然環境における生態学的な意義は小さいと考えられる。
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by Gainey,D. P.... alle www.biorxiv.org 06-03-2024
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