Concetti Chiave
本稿では、既存のマルチモードファイバー(MMF)インフラストラクチャを用いて、都市規模の量子鍵配送(QKD)を実現できる可能性を示しています。
書誌情報: Brzosko, A., Woodward, R. I., Lo, Y. S., Pittaluga, M., Smith, P. R., Dynes, J. F., & Shields, A. J. (2024). Metro-scale QKD using multimode fiber. Optica Quantum, 2(5/25), 5/25. https://doi.org/10.1364/OPTICAQ.534258
研究目的: 既存のマルチモードファイバー(MMF)ネットワーク上で、都市規模で量子鍵配送(QKD)を実現できるかどうかを検証する。
手法:
位相符号化BB84 QKDプロトコルを採用。
17kmのOM3ファイバーを用いて、デコイ状態法による鍵生成レートを測定。
モードマッチング技術を用いて、MMFにおける伝送特性の改善を評価。
主要な結果:
17kmのOM3ファイバー上で、193 kbit/sの鍵生成レートを達成。
1kmの距離では、1 Mbit/sを超える鍵生成レートを実現。
モードマッチング技術により、QBER、信号利得、鍵生成レートが向上。
結論:
MMFを用いた都市規模のQKDの実現可能性を実証。
モードマッチング技術は、MMFにおけるQKD性能向上に有効。
本研究の意義: 本研究は、既存のMMFインフラストラクチャを活用した、都市部における広範囲な量子セキュア通信ネットワーク構築の可能性を示唆している。
限界と今後の研究:
MMFにおけるモード分散の影響をさらに詳細に調査する必要がある。
実用的な都市環境における、より長距離・高速なMMF-QKDシステムの実証実験が期待される。
Statistiche
17kmのOM3ファイバー上で、193 kbit/sの鍵生成レートを達成。
1kmの距離では、1 Mbit/sを超える鍵生成レートを実現。
モードマッチング技術を用いない場合、17kmのOM3ファイバー上では84 kbit/sの鍵生成レート。
モードマッチング技術を用いない場合、1kmの距離では0.54 Mbit/sの鍵生成レート。