本稿は、滑らかな複素ファノ4次元多様体$X$が3次元多様体への有理収縮写像を持つ場合、特に$X$のPicard数$ρ_X$が大きい場合の幾何学的構造を調べることを目的とする。
まず、$X$がデルペッツォ曲面の積でない場合、$ρ_X$は高々9であり、この上限はファノモデル$Bl_{8pts}\mathbb{P}^4$によって達成されることを示す。これは、先行研究[Cas20]の上限$ρ_X ≤ 12$を改善するものである。
次に、$ρ_X ≥ 7$の場合に、$X$が3次元多様体への「特殊な」有理収縮写像を持つ場合の分類結果を与える。具体的には、$X$は、ブローアップ点を含む曲面$A ⊂ \mathbb{P}^4$に沿った$Bl_{r pts}\mathbb{P}^4$のファノモデル$W$のブローアップであることが示される。ここで、$A$は、(i) $r + 1$個のブローアップ点を含む3次スクロール、(ii) 各ブローアップ点でタイプ$A_1$または$A_2$の有理二重点を持ち、滑らかな2次超曲面に含まれる、$r + 1$個のブローアップ点を持つ6次K3曲面、(iii) ねじれ3次曲線上の円錐のいずれかである。
さらに、(i)と(ii)の場合に、$ρ_X = r + 3 ∈ {3, . . . , 7}$を持つ滑らかなファノ4次元多様体$X$を構成することで、これらのケースが実際に起こりうることを示す。これは、$Bl_{pts}\mathbb{P}^4$やデルペッツォ曲面の積とは異なる、$ρ_X ≥ 7$を持つファノ4次元多様体の最初の例となる。
最後に、ファノ4次元多様体$X$のLefschetz欠損$δ_X$が2の場合、$ρ_X ≤ 6$であることを示す。この上限もまた、$(Bl_{2pts}\mathbb{P}^2)^2$によって達成される。
本稿では、$ρ_X$が大きい場合のファノ4次元多様体の幾何学的構造を明らかにし、新たなファノ4次元多様体の族を構成することで、ファノ4次元多様体の分類問題に貢献するものである。
In un'altra lingua
dal contenuto originale
arxiv.org
Approfondimenti chiave tratti da
by Cinzia Casag... alle arxiv.org 10-30-2024
https://arxiv.org/pdf/2408.10337.pdfDomande più approfondite