核心概念
需要側と供給側の両方に柔軟性を持つマッチングプラットフォームにおいて、柔軟性予算の配分方法によってマッチング確率が大きく変動する。本稿では、柔軟性集中型と柔軟性分散型のどちらが最適かを決定づける要因を分析し、プラットフォームの効率的な設計のための洞察を提供する。
要約
プラットフォームにおける両面柔軟性の分析
本稿は、需要側と供給側の両方に柔軟性を持つマッチングプラットフォームにおける、最適な柔軟性投資戦略を分析した研究論文である。
本研究は、プラットフォームが需要側と供給側のどちらに柔軟性を投資すべきか、また、限られた柔軟性予算をどのように配分するのが最適かを明らかにすることを目的とする。
本研究では、需要側と供給側のエージェントをノード、エージェント間の互換性をエッジとして表現したランダム二部グラフを用いてマッチング問題をモデル化した。柔軟性を持つノードは、そうでないノードに比べて、エッジが形成される確率が高く設定されている。そして、このモデルを用いて、異なる柔軟性投資戦略における最大マッチングサイズの漸近的な挙動を分析した。