核心概念
本論文では、セールスマンの巡回距離の公平な分配を目的とした2つの新しい複数の巡回セールスマン問題の変種を提案する。1つは二次錐計画問題として定式化され、もう1つは混合整数線形計画問題として定式化される。これらの変種は、セールスマンの巡回距離の合計を最小化しつつ、その分配の公平性を確保することを目的とする。
要約
本論文では、複数の巡回セールスマン問題(MTSP)の2つの新しい変種を提案している。
ε-公平MTSP (ε-F-MTSP)
ε-公平性を二次錐制約として定式化
ε=0のときは最小合計距離MTSP、ε=1のときは全てのセールスマンの巡回距離が等しくなる
Δ-公平MTSP (Δ-F-MTSP)
ジニ係数の上限Δを線形制約として課す
Δ=1のときは最小合計距離MTSP、Δ=0のときは全てのセールスマンの巡回距離が等しくなる
両変種とも、セールスマンの巡回距離の合計を最小化しつつ、その分配の公平性を確保することを目的としている。
提案手法では、凸最適化問題を効率的に解くためのアウター近似アルゴリズムを開発している。計算実験の結果、提案手法は既存の公平性指標を用いた手法よりも優れた性能を示すことが分かった。
統計
各セールスマンの巡回距離の合計を最小化する
各セールスマンの巡回距離の分配の公平性を確保する
引用
"本論文では、セールスマンの巡回距離の公平な分配を目的とした2つの新しい複数の巡回セールスマン問題の変種を提案する。"
"提案手法では、凸最適化問題を効率的に解くためのアウター近似アルゴリズムを開発している。"