核心概念
与えられた有向グラフG、頂点s、tおよび整数k > 0に対して、kつの最小s-t切断の集合を見つけ、その多様性を最大化する。
要約
本論文では、最小s-t切断の多様性を最大化する問題を研究する。与えられた有向グラフG、頂点s、tおよび整数k > 0に対して、kつの最小s-t切断の集合を見つけ、その多様性を最大化することが目的である。
多様性の尺度として、(i) 全ての切断ペアのハミング距離の和、(ii) 切断集合の和集合の大きさ、(iii) 切断ペアの最小ハミング距離の3つを考える。
(i)と(ii)の多様性尺度に対しては、分配格子理論を用いて、強多項式時間アルゴリズムを提案する。一方、(iii)の多様性尺度に対しては、NP困難性を示す。
また、切断が互いに素集合となる場合の特別な問題に対しては、単一最大流計算時間オーダーのアルゴリズムを与える。これは、Wagner(1990)が提案した問題に対する改善結果である。
統計
与えられたグラフGの頂点数をnとし、辺数をmとする。
最小s-t切断のサイズをλ(G)とする。
最大の互いに素な最小s-t切断の個数をkmaxとする。