核心概念
本論文では、グラフ上の二つの頂点間の最短経路を高速に検出する手法を提案し、その応用について述べる。
要約
本論文では、グラフ上の二つの頂点間の最短経路を高速に検出する手法を提案している。
まず、有向非巡回グラフ(DAG)上の2-DSP問題を線形時間で解くアルゴリズムを示す。このアルゴリズムは、頂点間の最短経路を表す多項式を構築し、その多項式が0でないことを確認することで、二つの頂点間の最短経路の存在を判定する。
次に、無向グラフ上の2-DSP問題についても、同様の手法を用いて線形時間で解くアルゴリズムを提案する。ただし、無向グラフの場合、経路が一致する場合と逆向きに交差する場合の二つの場合分けが必要となる。
さらに、k-EDSP問題(k個の辺disjointな最短経路の検出問題)についても、DAG上で高速なアルゴリズムを示す。従来のアルゴリズムはO(mk)時間だったのに対し、本論文のアルゴリズムはO(mnk-1)時間で解ける。
最後に、k-DSPおよびk-DPの条件付き下限界を示す。k-Cliqueからの帰着を用いて、k-DSPおよびk-DPの解法には一定の計算量下限が存在することを明らかにする。
統計
2-DSP問題は、有向非巡回グラフ(DAG)上で線形時間で解ける。
2-DSP問題は、無向グラフ上で線形時間で解ける。
k-EDSP問題は、DAG上でO(mnk-1)時間で解ける。