核心概念
品質多様性(QD)アルゴリズムとニューラルセルオートマトン(NCA)を使用して、マルチエージェントパス探索(MAPF)アルゴリズムのベンチマークマップを生成する。これにより、MAPF アルゴリズムの性能を包括的に理解し、アルゴリズム間の公平な比較を行うことができる。
要約
本研究では、品質多様性(QD)アルゴリズムとニューラルセルオートマトン(NCA)を使用して、マルチエージェントパス探索(MAPF)アルゴリズムのベンチマークマップを自動生成する手法を提案している。
従来のMAPFベンチマークマップには以下の問題点があった:
- アルゴリズムの潜在的な失敗シナリオをすべて網羅できない
- 固定されたベンチマークマップを使用すると、提案アルゴリズムに有利な比較結果が得られる可能性がある
本手法では、QDアルゴリズムとNCAを使用して、さまざまな目的関数と多様性指標に基づいて、MAPF アルゴリズムの性能を包括的に理解し、アルゴリズム間の公平な比較を行うことができるベンチマークマップを自動生成する。
具体的には、以下の2つのタイプのベンチマークマップを生成する:
- 個別のMAPFアルゴリズムに対して、その特性を捉えた挑戦的なマップ
- 2つのMAPFアルゴリズムを比較するための、一方に有利で他方に不利なマップ
実験の結果、生成されたマップでは、各MAPF アルゴリズムの長所短所や、アルゴリズム間の性能差が明確に示された。これにより、MAPF アルゴリズムの理解を深め、公平な比較が可能となった。
統計
CBSアルゴリズムは、長い廊下や一つの入り口しかない空間を含むマップで、平均実行時間が15秒を超え、成功率が5%以下となる。
EECBSアルゴリズムは、広い空間を持つマップで良好な性能を示すが、長い廊下を含むマップでは成功率が5%以下となる。
PBSアルゴリズムは、長い廊下を含むマップで良好な性能を示すが、広い空間を持つマップでは成功率が10%以下となる。
PIBTアルゴリズムは、一つの入り口しかない空間を含むマップで成功率が12%以下となるが、広い空間を持つマップでは成功率が96%となる。
LTFアルゴリズムは、一つの入り口しかない空間を含むマップで成功率が35%以下となるが、広い空間を持つマップでは成功率が95%となる。
引用
"従来のMAPFベンチマークマップには以下の問題点があった:
アルゴリズムの潜在的な失敗シナリオをすべて網羅できない
固定されたベンチマークマップを使用すると、提案アルゴリズムに有利な比較結果が得られる可能性がある"
"本手法では、QDアルゴリズムとNCAを使用して、さまざまな目的関数と多様性指標に基づいて、MAPF アルゴリズムの性能を包括的に理解し、アルゴリズム間の公平な比較を行うことができるベンチマークマップを自動生成する。"